上司がムチャクチャなことを言うのは、現場を知らないからじゃない。
上司のフィードバックがムチャクチャすぎる!
会社で働いていると、自分が考えた企画を上司にチェックしてもらうことってありますよね。
そういう時に、ムチャクチャなフィードバックを受けることってありませんか?
例えば
事前に引いたスケジュールを前倒すように要求してくる
今まで何度かすり合わせた企画のコンセプトを根底からひっくり返される
昨日言っていたことと違うことを言われる
などなど…。思い当たる方もいるのではないでしょうか。
上司は現場を知らない?
僕も今までそういうことが何度もありました。
正直その度に、「この人は現場を知らないんだ」「自分の欲望を口にしているだけなんだ」と思ってしまっていました。
でも、最近自分が企画をチェックする立場になり、ムチャクチャな上司のフィードバックは、どうも現場を知らないから…ではないのでは?と思うようになりました。
上司がムチャクチャなことを言う理由
自分がムチャクチャなことを言っているわけではないですが、あえてちょっと無理なことを言う場面が増えてきたのです。
その理由は思考のブロックを外すキッカケを作るためです。
企画をチェックしてみると、企画者の方独自の価値観や、勝手に作り上げた足かせを元に企画が作られていることが多いです。
チェック者もそれなりに現場を経験しているので、そういう独自の価値観や足かせなどが何となく分かるんですね。
なので、あえてその人にとってはムチャクチャなことを言うことに寄って、その価値観や足かせを考え直すきっかけにしたいと考えるのです。
先程挙げた例で言うと
- 事前に引いたスケジュールを前倒すように要求してくる
→前倒したスケジュールで進められないか、と検討するキッカケを作りたい。
- 今まで何度かすり合わせた企画のコンセプトを根底からひっくり返される
→違うコンセプトでもっと面白い企画が考えられないか、と考えるキッカケを作りたい。
- 昨日言っていたことと違うことを言われる
→言われたことに囚われないで考えるキッカケを作りたい。
というような形です。
普段から思考の幅を広げていこう
上司にムチャクチャなことを言われないようにするためには、普段から思考の幅を広げることが大事です。
僕が思考の幅を広げることを客観的にできるようになったきっかけになった本が下記の2冊です。
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 木村健太郎,磯部光毅
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2015/10/12
- メディア: Kindle版
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この2冊は企画者必読です。
ぜひ読んでみてくださいね。
読書ログ:アテンション―「注目」で人を動かす7つの新戦略
今回読んだ本
個人的な感想
広告・採用・PR・コンセプト作りなどに携わる人は必読の1冊です。
情報過多時代に、注目を集める、そして集め続けるプロダクトを作るための「チェック項目」と「事例集」という位置づけです。
(特にtoC向けの)ビジネスは、多くの人に対してアウトプットを打ち出すことが多いため、人間理解が必須です。
そういった人間理解を促すのにも適した1冊だと思います。
なんでこれを読んだのか
「バズコンテンツ」を安定的に作り出すための切り口のフォーマットが整理されている本とか無いかなーとなんとなく思っているときに、アマゾンさんにリコメンドされまして。
読書メモ
無意識トリガー
- ネガティブなほうが注目を集めやすい
- ドーパミンはモチベーションに必要な要素
- 既知のことによって、何に注意を向けるか決まる
- 短期の注目で大切なのは、集中と目新しさ
- 達成の度に報酬が与えられる
- 親しみやすさ、距離の近さが重要。そこらへんにいる人。
- 即時の注目は型破り、短期はユニークで目新しく便利なこと、そして長期の記憶。よく知っていることが長期の記憶につながる。
- 色の対比を調べられるサイト
- 対比と連想が注意には作用する
- 対比か無意識の連想によって、特定の感覚的手がかりに注意をむける
フレーミングトリガー
- 注目は目的志向。
- 過去の経験、生まれつきの性質、文化的背景、興味、意見、その時の気分が、すべて判断基準に影響を与える
- 何に注目をするか決めるために、アイデアやメッセージに触れた時に自分の判断基準を用い、そのアイデアやメッセージが入ったフレームに従う。
- 判断基準に合わせるか、思考の中の話題を目立たせ、重視させて、その話題のたびに注意を払わせる方法
- 判断基準を理解する上で大切なこと
- 相手の受容度を確かめる。一番ストレスを感じているのはいつで、一番リラックスしているのはいつか。
- 相手の不安を理解する。意見が異なる人に対して、最初小さな同意から入る。
- 相手の文化的規範や伝統を知る。
- 議題設定で重要なことは、適度な反復。
- ただ、それが効果的なのは「伝える内容の理解がほとんど進んでいない時だけ。」真剣に聞かれると、反復が逆にウザくなる。
- 希少性は1つの議題設定になる。
- 何かを失うことの恐れは、あらゆる大手ソーシャルメディアの成功の秘訣
破壊トリガー
- 予想を裏切り、破壊する
- 破壊トリガーは「驚き」「単純さ」「重要性」によって注意を惹きつける
- (驚き)あるものが注目をあびるためには、目立つ必要がある。
- (単純さ)ひとつ目は、それがなくてもメッセージやアイデアや清貧が損なわれないものをすべて取り除く。ふたつ目は、提示する情報を見つけやすく、アクセスしやすくすること。
- Youtubeだと、最初の15秒で注目されるかどうか決まる。
- 破壊トリガーは短期的な注目。長期的な注目は、報酬トリガー。
- 報酬トリガー
- ドーパミンが重要
- ドーパミンは、欲する感情の引き金をひき、探求するへとつなぐ
- 内的報酬と外的報酬がある。忠誠心や長期の注目のためには内的報酬がはるかに役立つ。
- 外的報酬も驚きがあると人は激しく反応する。お花見とかはそういうこと。
- どう予測を裏切るか。
- 外的報酬のところは、採用にも、採用イベントにも、アプリにも、広告キャンペーンにも使えそう。押し付けがましくない。
- 外的報酬には6つある。インセンティブ、ポストアクション、収集、くじ、ランダム、贈り物
- 内的報酬は単純に、個人的達成でもたらされる幸福感や満足感。157ページ
- 分類は、行動を起こす理由。
- 人に内的報酬を欲しいと思わせるのは、「イメージ」。報酬を可視化する。
- 何を達成したのかを思い出させることも可視化につながる。
- 目標達成への選択肢があるだけで十分な報酬となり、あとは外的報酬を堪能したくなる。内的報酬と外的報酬は相容れない。
評判トリガー
- 「人気があると他の人たちが思っているもの」が人気が出る
- 「専門家」「権威者」「大衆」の情報源に判断を委ねてしまう
- 専門家が特に信頼されている。
- カリスマ敵権威者は、プレゼンス、誠意、パワーの3つをある程度示せれば良い。どれかを発達させることに取り組む。
- 大衆の意見を信じるのは、集合知だから信頼しやすいのと、大衆に所属していたいという安心感
- 長期の注目を築き、誰かの注目に値するには、「一貫性」「個性」「時間」という3つの鍵が必要。
- 誤解を受けたり非難されたら、非難に集中して応酬する。事実だけを述べる。
ミステリートリガー
- ミステリーとは、とくべきパズルであり、明らかにすべき秘密であり、終わらせるべき筋書き。
- 人には完結させたいという欲求がある。
- 注目を浴びるために、解決していない謎を巧みに使う
- ミステリハンガーを効果的に発動できるかどうかは「サスペンス」「感情移入」「予期せぬ展開」「クリフハンガー」
- 解決されない謎があると、人はあらゆる理論とアイデアを駆使して、その不確実さを減らそうとする。
- 注目を集める力は、謎の結末にあるのではなく、結末に至るまでに人の感情をジェットコースターのようにくるくると変化させるところにある。
- ミステリーで注目を集める秘訣は、不確実性を用意することだが、注目を定着させる秘訣は、感情のジェットコースターを用意することだ。ミステリートリガーを活用するときは、新しい展開と情報を加え続けると非常に有効。
- 予期せぬ展開には驚きが必要